地獄少女 二籠

第二十六話「あいぞめ」

最終話である。 なんというか、残念な結末でありました。 最後の最後で躓いたというべきか、ちょっと前からよろけ気味でここにきて堪えきれずに完全に倒れてしまったというべきか。いや、あるいはそもそも第二期自体が、とっくに倒れているのに「倒れていな…

第二十五話「彷徨」

地獄連鎖で、一種集団ヒステリー状態になってしまうのだった。強い仲間意識と排他性は表裏一体で、悪く作用したときは最悪になる、というのはうまく描けている。 が、そのために、それまでも設定をおじゃんにしてしまうのはやり方としてはどうなんだろうか。…

第二十四話「連鎖」

前回の予告ほぼそのままの展開。なので内容的には驚きはいまいち。連鎖の過程は結構楽しいけど。一方、生身としては地獄ハウスへの初の訪問者である蛍の地獄少女ランドツアー編は、シリーズの終盤にふさわしい、カーテンコール感覚である。 糸車のおばあちゃ…

第二十三話「不信」

完全に連続ものの体をなしてきたタクマ編。前回、今回、そして次回のサブタイトルがディックフランシスよろしく二次熟語統一なのは、シリーズものであるという表明なのだろう。 今回は、刑事が地獄通信の真実に肉薄していく展開だが、たった一人でふらふら調…

第二十二話「憧憬」

どうやらラストスパートが始まったらしい地獄少女第二期。「静かな湖畔」のタクマ少年再登場である。そして今回が最後の登場でもないのだった。 さて、そのタクマくんだが、初登場回の無理のある結末がそのままフォローなく継承されているのがもどかしいし(…

第二十一話「紙風船ふわり」

骨女誕生のエピソードと、その超ロングスパンの後日談。 過去編は救いのまったくない内容で見ていて疲れます。無茶とわかっていても、若旦那その他数名、地獄に流してすっきりする展開が欲しかった。そのフォローも兼ねている現在パートはそれなりに救いがあ…

第二十話「乙女のアルバム」

ヒロインの名前がジュリだったので、もう片方がリサなら単なる百合姉妹ならぬ、黒百合姉妹だったのに、と思いました。 というのはともかく、愛は憎悪、そして、地獄でも天国、という話。 と同時に、一目連、大失態という一編でもある。地獄チームがいなけれ…

第二十話「湯げむり地獄、旅の宿」

タイトルと予告どおりの裸乱舞の遊興展開でございましたが、お話はというと、世代を超えての呪殺合戦、つぶしあって勝者ゼロという初期地獄少女的に不幸が乱舞する強引展開なのでした。 そして輪入道の過去の後半部分。我はいかにしてお嬢の「足」となりしか…

第十九話「あのひとの記録」

気難しい母親の介護に疲れた娘が地獄通信に依頼する、というまるで老人介護問題の話かと思いきや、より人間の根本的な問題を取り扱ったお話で、もしかしたらシリーズの惹句となった「憂鬱アニメ」のコンセプトがもっとも正しく発揮されているといって過言で…

第十七話「沈黙のまなざし」

親の因果が子に報い、というか、親子で地獄流し志望、という話。そこに一目連の過去が絡む、と。 その一目連の過去である冒頭の時代劇パートはちょっと微妙。戦乱の世で百年間使われ続ける剣ってあるのか、とか。そもそもいつの時代なんか、とか。よくわかり…

第十六話「悪女志願」

ひさびさにオーソドックスな地獄流しイベントがありましたが、話のほうは結構変則的。藁人形モードでも独白が出来て、しかも積極的に依頼人に肩入れしているとか、一旦依頼がリセットされてターゲットがかわるとか。もはや普通の地獄少女形式、というのはな…

第十六話「この国のために」

愛国右翼の話かと思ったら、現実逃避と自己欺瞞のために政治に夢中になる人の話でした。 態度ばかり大きくて、実務能力のないおっさんの描写が生々しくてすごい。いくらなんでも娘をレイプさせて「これでおとなしくなるだろう」ということはないだろうから、…

第十五話「静かな湖畔」

歌でも歌いたくなるようなサブタイの割には湖は話に無関係でしたがそれはともかく。 今回は、「ちょっと待て車と地獄流しは急には止まらない」な「黒の轍」とは正反対の、いわば思いたったら呪いの日と言うメッセージを伝える回でした。今回もまたキクリが介…

第十三話「Vの惨劇」

タイトルはエラリークイーンチックで、「奇妙な死体のしぐさ」が話のキーではあるけど、どちらかという、本家本元への仁義きりというか半ば喧嘩売り、という内容。 早い話が必殺仕掛人が必殺依頼人、という話なのですが(なんとなく緒形拳にているし)、これ…

第十二話「黒の轍」

タイトルからして松本清張かと思ってましたが、政治も汚職も関係なく、どころか、シリーズ初の地獄が無縁の「清い」物語なのでありました。 というかはっきりいってこれはシリーズ的にぎりぎりである。地獄チームが地獄流しを思いとどまらせる方向で動いてし…

第十一話「遠い隣人」

これは素晴らしい。シリーズものの展開としては理想的な「フォーマットを壊さずに新しいドラマ性の獲得」というのをやっています。 あるいは猫好きにしか伝わらない要素があるのかもしれないエピソードではあるが、たぶんこのアニメを見た、なべての猫好きに…

第十話

愛すべきダメ男をめぐる女の友情、という話。 どこまでも駄目な奴なのだが、決して悪党というわけでない、というキャラを千葉繁の最大利用という感じで活写してみせる。駄目男に対する愛情と、そのだめっぷりへの認識の共有で女たちが意気投合する流れも楽し…

第九話「あにいもうと」

今回は「収支」だけを見ればオーソドックスな「人を呪わば穴ふたつ」オチ(暗示にとどまっているけど、本編終了後早い段階で、妹は死ぬはずである)なのだが、ほとんど誰も悪くない、というのがポイント。 勿論、ミキ(という名前をなんで妹が言っているのか…

第八話「偽地獄通信」

真の教師とは、というお話。 ここのところ、出るキャラ出るキャラ、大抵どこか壊れていて、物語の主題も複雑にゆがんでいた地獄少女だが、今回は、びっくりするぐらいまっすぐな人、まっすぐなテーマなのだった。ひねりにひねったら、まっすぐになったという…

第七話「絆」

そしてまた救いようのない地獄少女の時間になるのでした。スタッフどこまでも性格悪し。 今回なんか、人を呪えば穴二つどころか、三つは掘っている。しかもひとつは明らかに被害者のよりもだいぶ深い。少なくても他人の目には(主人公の心のうちでは十分幸せ…

第六話「日のあたる場所」

陽性にはじけていた前回から一転、お笑い要素ほぼゼロのヘヴィー&シリアス展開。というか限りなく外伝のようなひねった構成。なんといっても主人公は依頼をしないし、地獄チームのお仕置きタイムもないのだから。 そう、今回は、ほぼ完全に最初の依頼人(未…

第五話「地獄への暴走」

タイトルはダブルミーニング。 今回は二段階構造で、最初の依頼人があっさり引き下がってその依頼人に話を聞いた二人目が違う以来をするという仕掛け。変則的な展開ではあったが、シリーズの必殺仕掛け人的な復讐のカタルシスは第一期第二期含めて、最強であ…

第四話「秘密」

冒頭、輪入道がラーメン食べてたり、骨女が看護婦になってたり、何事かと思うが、ようするに依頼もされていないのに調査しているわけである。まめというか人がいいというか。 今回の依頼は依頼者にもけっこう問題がある――平たく言うと「現金に手を出すな」的…

第三話「愛しのけいちゃん」

第一期、二期通してシリーズで最も恐ろしい回であった。どれくらい恐ろしいかというとミザリーの映画よりも原作よりも恐ろしい。 まず、なんといっても主人公が恐ろしい。 自分でやっていることを本気で良いことと考えているのか、何かの代償行為を自己暗示…

第二話「うたかた」

拉致監禁、強姦、殺害、遺体投棄と悪夢としかいいようのない運命に翻弄された妹の恨みを姉がどう肩代わりして晴らすか、というストーリー上の問題に加えて、死んだと明確でないがまず死んでいる失踪者を残されたものがどう「待ちつづける」かということを問…

第一話

第二シーズン開幕である。まず、ビジュアル面でだいぶグレードアップしたのが印象的で、これはシリーズとしては正しい発展と言えましょう。がしかし、というか、やっぱりというか、お話はまったく変化なし。良くも悪くも前作の追加話数といっても納得する出…