第六話「日のあたる場所」

 陽性にはじけていた前回から一転、お笑い要素ほぼゼロのヘヴィー&シリアス展開。というか限りなく外伝のようなひねった構成。なんといっても主人公は依頼をしないし、地獄チームのお仕置きタイムもないのだから。

 そう、今回は、ほぼ完全に最初の依頼人(未遂)が物語の主導権を握っている。それも何もしないことによって。
保健室登校も、ヒロインの悲劇も何らかの割合で彼の「自ら動かない」姿勢に起因するところがあるのだが、それを破っての最初の「選択」(日のあたる場所に出る)が、ヒロインのために地獄落ちであるというのは、悲劇的ではあるが、ある意味ハッピーエンドでもあるだろう。

 演出的には、主人公の後ろ向き振りを淡々と描いた後の最後の爆発へ持ってくる流れが見事で、アメリカンニューシネマを意識したかのような、真の結末の手前で終わる落ちもふくめて、出色の仕上がり。

 よく考えると、こうやって行動を起こすことで家族に迷惑かかるわ、背後関係からヒロインにも累が及ぶ(何が起きたか明るみに出る)可能性はあるわで、褒められた行動でもないわけだけど、「復権」の物語としてはこれでいいのだろう。
 後味が悪いようでいて、そうでも内容でいて、やっぱり悪いというような、えもいわれぬ味わいの一品である。

しかし、いくらなんでもレイプネタがおおすぎはしないか。