第五話「地獄への暴走」

タイトルはダブルミーニング
今回は二段階構造で、最初の依頼人があっさり引き下がってその依頼人に話を聞いた二人目が違う以来をするという仕掛け。変則的な展開ではあったが、シリーズの必殺仕掛け人的な復讐のカタルシスは第一期第二期含めて、最強であったかもしれない。しかも人を呪わば穴二つネタ――悪魔との契約ネタでもある――の基本である、悪の力を使ったら即効「偶然」という形で借りの回収がある(早い話が、死ぬ)パターンの実践なのであった。
これはつまり伝統的なフォーマットのほうが、エンターテインメントとしては無理がないという、考えようによっては今までの地獄少女パターンの敗北証明になってしまったような気もするのだが、そこをあえてはずしてきたからこその、今回の大爆発であったようでもあるので、そういった意味では、成功の証明? 
まあこのパターンばかりでも飽きるので、たまにこういうのがあるぐらいだと適度にすっきりしていいですね。
 
お嬢様がらみでの、第二期入ってからより遠慮がなくなったセックスを想起させるシーンや台詞はちょっとどうかと思うが、今回はターゲットの極悪さを示すわかりやすい手ではあったとはいえる。珍しいぐらいやられてよかったと思う人でした。

 それ以外だと、今回は、大筋以外で遊びが豊富でしたね。輪入道のハードボイルドアクションの数々、地獄流し展開での、なめんなよタコとか、「死んでみる?」と質問しているくせに、すでに殺す気満々で全速力で車を走らせるあいと、まさに悪乗りで大暴走なのだった。