第十話

愛すべきダメ男をめぐる女の友情、という話。

どこまでも駄目な奴なのだが、決して悪党というわけでない、というキャラを千葉繁の最大利用という感じで活写してみせる。駄目男に対する愛情と、そのだめっぷりへの認識の共有で女たちが意気投合する流れも楽しい。もはやまったく「仲良し」読者のことは考えていない、ある意味どんなレイプやグロ話よりアダルトなのりでございます。

そういう話なので、復讐話もシリアスにはならない。というか、一種事故的な扱いでもある。
無理に深読みすればキレやすく、後先考えない現代人のアイロニーと読むことも出来るけど、お仕置きというよりは、最後の手向けのサービス的な地獄芝居や依頼人の名前でわかるように、愛すべき男の愛すべき転落的な落とし方である。
番組のフォーマットをメタ的に認識していると思しき輪入道の台詞に続くサイレント映画風地獄台詞パートも楽しい。
 
いろいろな意味で「骨休め」な回ではあるが、カットアップ形式で序盤の骨女の「うそだろ」の意味が最後で明確になる構成や、せっかく築いた友情を記憶消去ですっぱり捨てないとならなかった骨女の寂寥をワンカットで示す演出力等、ひとつの作品としてもクオリティの高い回だった。遊び回でこのレベルが出せるのがこのシリーズの好調さを語っている。

次回はまた動物ものですか……嫌だなあ。