第八話「偽地獄通信」

真の教師とは、というお話。
ここのところ、出るキャラ出るキャラ、大抵どこか壊れていて、物語の主題も複雑にゆがんでいた地獄少女だが、今回は、びっくりするぐらいまっすぐな人、まっすぐなテーマなのだった。ひねりにひねったら、まっすぐになったという感じか。とはいえ、シナリオの出来は今期ベスト、シリーズとしても上位に入るものだった。

まあ、校則にうるさい先生って実際にはたいして良い先生でないことが多いがそれはともかく。

「偽地獄通信」(先週タイトルをみたときは、地獄少年形のギャグ回かと思ってた)とはなにか、から始まって、その仕掛け人探しというふうに話を進めておきながら、真犯人はじつはあからさまに推測できるように描き、それがかえって終盤の展開の煙幕になる、という凝ったつくりで、さりげない台詞から、化粧ババの人となり(実はよく人を見ている)を示したり、一方、出番のあまりない地獄チームのほうはきくりを使って遊んだりと、盛りだくさんの充実したシナリオ。
お話に凝った分、地獄少女らしくないというか、復讐劇のカタルシスはまったくないわけだが、『Ⅹファイル』がUFOがらみでないときのほうが面白かったようなもので、これはシリーズものの宿命であるのかもしれない。