第十五話「静かな湖畔」

 歌でも歌いたくなるようなサブタイの割には湖は話に無関係でしたがそれはともかく。
 今回は、「ちょっと待て車と地獄流しは急には止まらない」な「黒の轍」とは正反対の、いわば思いたったら呪いの日と言うメッセージを伝える回でした。今回もまたキクリが介入。こう出張ってくるということは、そろそろキクリがなんなのかをめぐる話になるのかな? 

お話のなかで気になるのは、描写の上ではあの少年はあれで逮捕ないし補導っぽい流れであるにもかかわらず、あの状況で父親殺しで起訴されることはまずありえないという点(返り血の有無、瓶の指紋、喉をついた位置関係、等)。
事件が終わって、誰もいない家にたたずむ少年(家にはそれこそ本当に周辺住民からの批判のチラシが張られていたりして)、というような描写でもあれば、十分、悲惨だったと思うのですが、無理にああいう描写にしてしまったため、むしろ問題が衆目に曝されることで真相が究明される可能性すらありうるという、ある種の救済の可能性を見せてしまったのは、勇み足といえましょう。