第二十話「湯げむり地獄、旅の宿」

タイトルと予告どおりの裸乱舞の遊興展開でございましたが、お話はというと、世代を超えての呪殺合戦、つぶしあって勝者ゼロという初期地獄少女的に不幸が乱舞する強引展開なのでした。

そして輪入道の過去の後半部分。我はいかにしてお嬢の「足」となりしか。
そのお嬢のスカウトぶりはなんかこう、『七人の侍』の志村喬的に老獪というか、押したり引いたりのさじ加減が絶妙で、幼いときに人身御供とされて遊び友達が一人しかいないまま十代前半で死んでしまった人間とは思えません。本人はすましているけど、じつは過去に沢山の部下(下僕?)候補を取り逃がしていたりして。
それにしても輪入道はスタッフに愛されております。っていうか、あれか、いちばん投影しやすいキャラなのか。彼が温泉に入っていて、二時間ものの温泉ミステリードラマ風の展開――女子客が先客である主人公を気にしないどころか、積極的に話しかけてくる――(これって「下宿先の隣人が皆かわいい女の子」並みに妄想炸裂の展開だ)に遭遇するくだりは、もちろん軽いくすぐりではあるわけだけど、それにかこつけての願望従属でもあるような気がしないでもない。そういえば、用務員に化けていたときも、女生徒に懐かれていましたね。
タイトルの「湯げむり地獄」が比喩でなかったのは笑った。ひさびさに地獄流しレビューもあったし。お嬢もずいぶんと明るく、融通が利くようになったものだなあ、と輪入道も思っているはず。時系列おかしいけど。

キャスト的にはせっかくゆかながヒロイン(というか被害者)なのに、裸と輪入道ネタのつなぎ材料程度の役割だったのが残念。