第二十話「涙色のロンド」

ようやく日野さんカムバック。次回予告に。

いろいろな後押しを受けつつ、最後の一押しはやはり月森、という段取り。件の場面のアベマリアが聞こえてくるまで、三カットにわたって引っ張るのは楽しい。聞こえてくるのは誰もがわかるわけで、あとはどのタイミングで聞こえてくるかが見せ場となる、で、限界ぎりぎりまで引っ張ってみせたのだった。

いろいろな後押しをしたひとり、眼鏡の先輩(このひと、要所要所に出てくるわりに、あまり役に立たないな)とは、なんだかいきなり観覧車! 公営の公園らしき場所に巨大観覧車があることはあえて突っ込むまい。

 第七の男と、観覧車から眼下の風景を見おろして語り合う――ちょっとだけ、「あのはるか下のほうで動いている、ちっぽけな点の一つが動かなくなったところで、誰が気にするだろうか?」とか先輩が言うのを期待してしまった。

 問題は、ヴァイオリン関係で、なんと、演奏補助の魔法は切れたままとは。これは、シリーズ初期に予想したような、素人技術でセレクションに出る展開になってしまうのだろうか。もう特訓しても素人に出来る演奏なんてたかが知れているしなあ。素人演奏でもいいから弾くつもりでステージに挙がったら、ヴァイオリンが勝手に覚醒して(リリの魔法がじつは蓄積されていた、とかの言い訳つき)……みたいな流れか、下手でも確かに日野さんの演奏だとみんながわかって丸く収まるか、どっちにしても、なんかこっちの胃が痛くなってしまう展開である。

そういえば、微妙に道に迷っている土浦君はどうするのでしょうか。そしてクイーンカホのピュアな責めをひたすら待っている柚木の旦那は。
火原も迷っているしなあ。
あ、なんかみんなでセレクションを辞退したがるとか、そういう騒動もありそうな気がしてきたぞ。