第二十二話「憧憬」

どうやらラストスパートが始まったらしい地獄少女第二期。「静かな湖畔」のタクマ少年再登場である。そして今回が最後の登場でもないのだった。

さて、そのタクマくんだが、初登場回の無理のある結末がそのままフォローなく継承されているのがもどかしいし(明らかに子供には無理な反抗であることは調べればすぐにわかることだ)、小学生の一人暮らしとか明らかにありえない設定になってしまっているのが苦しいが、メインのお話自体は、誰が依頼者で誰がターゲットかを明示しないで(といってもすぐわかるが)おもに少年とヒロインの二人芝居で進行する構成も面白いし、どこまでも無常なオチもいい。依頼人の、シリーズでもっとも隙のない地獄通信の活用の仕方も凄いが、偽札の束、というのが特に強烈である。
とはいえ、タクマ少年の、それこそ「生き地獄」な人生がまだまだ続くのは気の毒というほかないけど。次回あたり、依頼対象「地獄少女」とかにしそうである(もし、仮にそうなったら、誰が依頼を受けるんだろう? 無効? あるいはきくりはそのためにいたりするのか?)。

シリアスまっしぐらでなく、地獄チームのちょっとしたコントみたいなのもあって、潤いも欠かさないのも周到だ。この金巻兼一は、『ネギま!?』の脚本を書いているときよりずっといい仕事をしていると思う。