第二十五話「彷徨」

 地獄連鎖で、一種集団ヒステリー状態になってしまうのだった。強い仲間意識と排他性は表裏一体で、悪く作用したときは最悪になる、というのはうまく描けている。
 が、そのために、それまでも設定をおじゃんにしてしまうのはやり方としてはどうなんだろうか。地獄通信へのアクセスは本当に恨みを晴らしたいと強く思っていることが条件であったはずなのに。

あと、もっと気になったのは、きくりの介入とそれに対するあいたちの態度。きくりがなんらかの意志を持って、悪意を加速させるのはそういう役割のようだからいいのだが、地獄チーム(というかあい)がそれを黙認してしまうのは駄目だろう。介入を否とするならば、介入の結果の変化を看過するのも否としなければならないはずだ。ここはフォローを最初からしているべきはなく、地獄チームのフォローがあってもどうにもならなかったというのを描くべきだろう。身内の不祥事は、身内で落とし前をつけるのが基本である。

 そんなこんなで話の展開には相当無理があるし、蛍の動かし方もかなり苦しかったりするわけだが(兄貴が消えるのは、展開上予測は容易なところをサスペンス醸成に利用しているのはわるくない。)、落としどころは気になるところ。前回やらなかった愛の解放と後継者の出現、というのはいまさらやられてももりあがらないので、避けてほしいが……。