第一話

 漢字であてると紅蓮羅漢だと思っていたわけですが、それはともかく。

 冒頭、無量大数の敵だの、妙に松本零士チックなキャラクターだのと、なにやら派手でスカしたスペースオペラかと思ったのだが、一転、本編は『宇宙の孤児』地下版のようでもあり、ドリルでるんるんくるるんるん(うろおぼえ)のようでもあり、ユンボルのようでもあり、なんじゃらほいと思っていたのだが、小西克幸キャラが押井守の九十年代アレンジ的な(ようするにより大げさなくせに社会的広がりがゼロというヤツである)アジテーションを始めたあたりで、ああなるほどガイナックステイストだと思ったのでした。

 内容はというと、この手の話にありがちな冴えない主人公(ガイナ的にいうと、病的ではないシンジ)が、ドリルでロボを掘り出すあたりは定番で、突然の敵の来襲でそのロボに乗って戦うようになる展開もまた定番、さらには、其敵の来襲とあわせて、「運命のヒロイン」と遭遇する流れもまた定番――と、定番の連続なのだが、快調なアクション(戦闘シーンのみにあらず)と、強調されたパースとデフォルメを多用してメリハリを利かせた画面構成で飽きさせない。
 演出の妙だけでなく、ロボが顔に手足をつけた形状であるとか、うっとうしいようで、妙にいいやつな小西キャラの動かし方のうまさ等、デザインやシナリオの面でもさりげなくひねっているのも効果的。特に小西カミナがシモンに言う「自分を信じるな、おまえを信じる俺を信じろ」ってのはいい。
 
 そういえば、ヨーコは、性格は変にひねったところがなく(少なくても今のところは)、デザインも普通にかわいいキャラだが、位置づけとしてはヒロインというよりは、お姉さん? 井上麻里奈の声は今回は能登眞美子には聞こえなかったのはなにより。

 とりあえず、次回がどうなるか、というよりはあのシモンが冒頭の自信満々リーダーキャラにいつなるのか、気になるところですね、まあ、あれはフェイクかもしれないが。