第五話

道中ものの王道のような、「立ち寄った先での出会いと戦い」展開。
 外部から見ると不条理としか思えない因習にとらわれた村という、異なる理論体系に生きる人々の対峙を通して、価値観の多様性――主人公たちの正義の相対性を再認識させるという、シナリオ的にも定番の一編でありました。そしてそうやって浮き彫りになった正義の曖昧さから生まれた葛藤を「俺のゴーストが叫んでいる!」っていう少佐とアレキサンダー大王を足して二で割ったようなスタイルであっさり解決するのも、これまた定番。
そういうシンプルな(そして、見ようによってはけっこう重い)話を、凝った映像と切れのいい演出で、シリアスなところははずさず、かつ、エンターテインメントとしても充分楽しめるものに仕上げたのは、見事な職人芸という感じである。今回の脚本とメインのコンテを担当した佐伯昭志という人は、寡聞にして「この醜くも美しい世界」での冴えない仕事しか知らなかったのだが、ちょっと見直した。「この醜くも・・・・・・」は向き不向きの不向きの方面だったのだろうか。

 話的には、これでパーティに新メンバーが加わり、シモンはヨーコにコドモあつかいされ続け、照るてるボーズファッションのヨーコはけっこう似合っていて、と変化もありつつもわりと安定、そして、中田譲治はやっぱりいい声だなあ、ということなのであった(字が読めない、のくだりは、これまた定番だけど、なんかマトリックスレヴォリューションズ)テイストでしたな)。
 次回は温泉でサービスサービス?(いろいろな意味で)