第十二話「リベルタッドの攻防」

 いよいよ大詰め。バトルは意外にあっさり。メインの仲間たちの犠牲も増えないのはちょっと安堵しました。今まで容赦なく殺していたおかげでメルチたちのエピソードがテーマ(自己犠牲は至上ではない)と絡んで、上手く機能していたのは感心。
とはいえ、包帯していたアンちゃんはちょっと危険だったし、他の搭乗員は結構ぽこぽこ死んでいるので、全体のムードは相変わらず薄暗いわけですが。
その戦闘時のCGの軽さがあまり気にならないのは宇宙(つまり無重力戦闘)だから? でも宇宙で轟音が鳴りわたるのは、気になりだすととてもたまりません。いいかげん演出効果でも音を立てるのはやめて欲しいところではある(学園戦記ムリョウでは音なしの戦いでもちゃんと迫力を出せていたのだから、やってやれないことはないのだ)
 ラルフお兄様はことここにいたって、唯一のよりどころに自分の行動原理を否定されて大ピンチ。内向的ではあってもコミュニケーションをとっていた(というか呼びかけというかたちの独り言が結果的に本当に呼びかけになっていただけだが)セーラのほうにエイミーが懐くのは、プロット的にもテーマ的にも仕方ないこととはいえ、お兄さんに対してエイミーサイドからもう少しアプローチをさせてもよかったと思う。見掛けが少女なだけで実態は長寿生命体なのだから、暴走を止める説得が出来そうなものである。
 お話としては、兄妹の決着のさせ方はほぼ見えたようなもので、あとはエイミーたちを「救う」ないし「解放」する策がどうなるかというあたりが最終回の焦点か。まさしく時空を股にかける存在なだけに、異なる時代に逃げていくとか全滅しない未来を作り出すとか大技を見せてくれそうである。
 どう転ぶにしても、そうひねった話でもないのにここまでちゃんと盛り上げられたのはたいしたもの。

 それにしても、田中敦子キャラの退場のさせ方がとんでもなかった。なんという雑魚キャラっぷりであろうか。