天保異聞妖奇士(あやかしあやし)

第二十五話「幕間 ヒトハアヤシ」

未練たっぷりなタイトルとは裏腹に以外にも、すっきりと終了したのだった。 あるいは、本来はエドゲンは裏切ったまましばらく引っ張ったかもしれないし、いくつもの伏線、これからが本番だったはずの宰蔵とアトルの往壓争奪戦と、心残りは大量にあるが、こう…

第二十四話「後南朝幻想」

本編ほぼラスト。鳥居の行動の理由、明らかになる西の民の正体、エドゲンの離反の可能性。テーマ的には、異界や妖夷を、悪として廃そうとするもの(鳥居)、道具として利用しようとするもの(西の民)、適度に付き合っていこうとするもの(往壓)と、いわば…

第二十三話「印旛沼古堀御普請」

大見得を切る、妖夷を一刀両断にする、と鳥居の旦那がヒーローな一編。 大人の事情により、形の上ではこれがクライマックスシリーズということになるわけだが、本当はここでようやく、鳥居の旦那を前面に出して、「本筋」が動き出すという構想だったのだろう…

第二十二話「帰ってこないヨッパライ」

どうやら今期限りで終わってしまうらしい。今回を含めてあと四回だそうで。ううむ。寂しい。これからが「収穫のとき」だったろうに。 特に今回のような充実した回を見てしまうと切にそう思う。これを足がかりにさらに大きく展開していくことは容易に想像でき…

第二十一話「星夜に果つ」

珍しく一話完結のエピソード。 女装した神主で平常はところてん売り、得物は火薬兵器全般というあやしチーム中もっとも不可解なプロフィールの持ち主であるエドゲンの内面に迫る話ではなかったけど、まあそこそこ活躍したほうではある。ミッシングリンク殺人…

第二十話「不忍池子守唄」

土方歳三編後編。といっても歳三くんは脇でちょろちょろしているだけで、メインはもちろん往壓の旦那である。 いや、もしかすると真の主役は往壓の御母堂であるかもしれない。それほど出番があるわけでもないのに凄い存在感である。刀の妖夷なんて、たんなる…

第二十話「三人往壓」

タイトル通り、ユキアツさん話。しかも一話完結ではない。エドゲンのだんなの話は遠い。前回の予告でははっきり言っていた「ドッペルゲンガー」という単語はさすがにつかわなかったが、あいかわらず舶来ネタに通暁している人たちばかりです。小笠原の大将は…

第十八話「漂泊者の楽園」

アビさんの話のまとめ。 からくりの民の人は、紙鉄砲の攻略を法を伝授したぐらいで、ドラマ的にあまり出てきた意味がなかったのがもったいないところ。それどころか、お姉さんもそれほど重要では無い気がする。位置的にはこのシリーズのラスボスではあるのだ…

第十七話「幽世」

アビさん編その二。妖夷は特殊な人間にだけでなく普通に珍味であるらしい。それも、中毒に近い症状が出るほどに美味しい。なにかやばいものが入っているのではなかろうか。 インテリな商人山崎屋は、賢そうでなにやら馬鹿という妙なキャラ。作中でも突っ込ま…

第十六話「機の民」

アビさんの話、その一。 今回のゲストキャラはそのアビの同族というわけなく、「まつろわぬ民」つながりという奴で、もちろんそれだけでは話に絡んでくる必然性が薄いから、アビのお姉さんというより強力なファクターが入ってくるという次第。どう考えても悲…

第十五話「羅生門河岸の女」

タイトルが示すとおりに羅生門河岸の女たちの話題が出て、前回の晩斎の綺麗事のフォローはできたが、やっぱり重い話ですね。夕飯時に見るアニメにふさわしい話題なのか、という気はする。コードギアスみたいにいい感じに適当なネタのほうがこの時間帯にはふ…

第十四話

遊郭と川鍋晩斎の話の続き。 土曜の夕飯時に吉原の話をじっくりやる勇気はなかなか見上げたものですが、殺人事件の捜査で、死体から血が出てないのを誰も問題にしないのは見下げはてたものです。しかもどう見ても刀で切った傷には見えないし。脚本が適当なの…

第十三話「地獄極楽風聞書」

名探偵コナンの声でしゃべる新キャラに旧キャラを説明するという形で行われた総集編。なのだが、思いのほか面白い。そういえば會川のかつての傑作『機動戦艦ナデシコ』の総集編も凝りすぎて、本来息抜きの回なのに、結局スタッフにかなり負担があったんだっ…

第十二話

あらすじを説明し始めた江戸のハクオロ王とおかまはふてくされて酒を食らい、ユキアツさんたちが何故かをそれをあきれているという、舐めくさった冒頭部に始まり、やたらと崩し顔がおおい宰蔵、真面目なシーンなのにコント調が入ったり、かと思うと、最後の…

第十一話「日光怪道」

ユキアツホウザブロウ珍道中(ユキホウinDEEP、でもよし)。 短編集的に妖夷をぽこぽこやっつけたりしていく展開は軽くて楽しい。しかし、微妙にホモ漫画チックなのは何故だろう? で、もちろん他のレギュラーも出番をほしいわけで、アトルと宰蔵と馬…

第十話

のっけから衆道の絡みが炸裂。前回の台詞だけでも微妙だったのに、直接描写でくるとはとんでもない人たちである。そんなにお茶の間を凍りつかせたいのでしょうか。 さて、面の妖夷の話はAパート単体で、わりとあっさり宰蔵が迷いを解き、敵が本体に戻り(こ…

第九話「面と怨」

宰蔵の話、その二(後編ではない)。 妖夷は必ずしも敵ならず、という構図の強調。くどいほど示されているように、この物語における妖夷とは「人の夢、想像力」そのものである。それが限度を越えて現実を否定し人に仇なすもの、すなわち「妄執」となったとき…

第八話

宰蔵の話。そのいち。 今回のポイントは、人の妄執の顕現ではなく、独立で動き、攻撃を意図して接近してきた妖夷の存在か。今後、妖夷軍団とか出てきそうでもある。しかし知能ある敵として狐は最適でありますな。狸だと、ぽんぽこになってしまう。針の話やら…

第七話

龍とアトルと雲七の話はひと段落。 しかし、ユキは殺したという罪の意識を逃れるために妖夷で死んでいない雲七をつくっていたのに、「あの人はずっと自分の罪と一緒にいた」と解釈してくれる井上喜久子さんはいい人にもほどがありますね。過去のことはもはや…

第六話

異人編の続き。また終わらない。 今回の見所は二つ。 まず、堀井“若本”守との初の対決。 アステカやメキシコのことはうわさで日本に伝わっていたとは知らなかったが、それはともかく、目的のためにはいくらでも冷酷になれるが、基本的には結構お茶目でたぶん…

第五話「ひとごろしのおはなし」

前回のバトルは至極あっさり放棄。うーむ。 そして四十歳設定に加えて、レイプ未遂に友人殺しというとんでもないバックボーンが追加されるユキさんなのだった。すごいダーティーヒーローですな。これで巻き返せるのだろうか? 一緒にあちらに取り込まれて、…

第四話「生き人形」

異人版カムイ登場。やはりあの格好はセクシーですね。まあカムイと違ってふんどしではないですが。ともあれ、すばらしいことです。 というのはともかくとして、今回のテーマの「異」は異人カムイことアトルだけでなく、主人公にも、ひいてはあやし戦隊全員に…

第三話

藤原啓治、あやしチームに落ち着く、の巻。序盤変にうじうじしているから、これはまた小夜とおなじく、やる気を出したり出さなかったりを延々続ける恐怖のパターンかと思ったら、そうではないようで一安心。 ドラマ的には前回に劣るが、シュールな外見の異形…

第二話

これは意外といけるかも。 相変わらず地味だし、視聴者に向けて語りかけるようなけれん(全快の藤原にかわり今回はうえだゆうじが担当)は余計だと思うが、視覚で世界像を描きつつ(魚がおいしそうだった)、台詞で描くキャラの立ち居地を示して、物語の土台…

第一話

タイトルが読みにくい。否、読めない。何度見ても「ようきし」って読んでしまう(余談ですが、「あやかしあやし」をうちのパソコンで変換すると一発で「綾香氏愛子」と出ます)。 さて、モノはどうかというというと意外なぐらい堅実な印象で、冒頭で大量殺人…