第二話

これは意外といけるかも。

相変わらず地味だし、視聴者に向けて語りかけるようなけれん(全快の藤原にかわり今回はうえだゆうじが担当)は余計だと思うが、視覚で世界像を描きつつ(魚がおいしそうだった)、台詞で描くキャラの立ち居地を示して、物語の土台をしっかり固めるつくりは、長編の冒頭にふさわしい手堅いものだ。
 ストーリー面でも、異界のものの異様な闘争の描写とこちら側の日常の対比から、異界のものに人生を狂わされた男が、少年を救うことに仮託して、日常をもう一度自分のものにしようと戦う流れは、シンプルながら破綻なく盛り上がる展開だ。
その闘いにしても、ことの帰趨を、武力の大小ではなく、相手へのより深い理解(真の名前を知るとはそういうことである、と偉大なるオジオンは言っている)にして、単なるアクションに終わらせない工夫が素敵だ。言葉をめぐる薀蓄も含めて、會川昇の頭でっかちさがいい意味で発揮された展開にして、コンセプトといえましょう(失敗するとハガレン映画みたいになるわけだが……)。
次回は少年のお姉さんも出るのか?