第二話 

 スーパーパワーを入手しただけでなく、軍事指揮の素養も余人をはるかに超えるものであることが判明した主人公による、圧倒的な勝利と、それでもどうしようもない無茶苦茶な新兵器との遭遇。

正直な話、チェスと実戦では照応するものはほぼないと思うのだが、チェスが強いイコール論理的思考力および敵の手を読むセンス、ぐらいの気持ちで作ってるんだろう。
普通、この手の展開でやるのは、知識がいくらあっても所詮は机上の空論なので実戦勝利は難しい、というのがセオリーである気がするのだが、机上の空論のはずなのに勝てる主人公の才能がすごいといいたいのかもしれないですな。それが『デスノート』並みに単なるご都合主義に見えるのは気のせいであるに違いない。
まあ、ルルーシュが頭はいいが馬鹿っぽく見える、というあたりがライト君の兄弟分であることだけは確かですが。
とはいえ、どうせ似せるなら、本家並みにお笑い要素と徹底したハッタリ要素がほしいところですね。
ただし、この主人公の場合、頭脳だけでなくデスノート以上に便利な洗脳攻撃という主人公とってはありがたくともシナリオライター的にはありがたくない万能オプションつきなので、遊びを入れていく余裕はないかもしれないが――ただの無敵キャラでカタルシスある物語を作るのはとても大変なのである。

そういえば早くも廃嫡王子の復讐譚とか、友人と敵味方に分かれて対決とか、社会意識をはらんだ設定がどうでも良い方向に良くも悪くも絵空事の高い方向へ物語の興味が集中してしまっていますね。とりあえず設定だけでも視聴者を現実に向けさせる刺激になれば、という程度の社会性だったということなんだろうか。どうせやるならもっと徹底的につめれば面白いのにねえ。序盤のキャラと設定紹介が終わったあたりで、社会性をただの枠組みに終わらせるか主題とするのか、はっきりさせてもらいたいところ。

もっとも、今回の話の、プロの集団とか大人の経験などはアマチュアの一個人の圧倒的な知力のもとに無力であるとか、多数の敵を瞬殺する新兵器出現といった、良くも悪くも「子供の夢」でしかない展開やガジェットからして、これがどういう方向性で落ち着くのかは、もう見えているような気もするが……。


 あとこれは先週書き忘れたことだけど、OPの最後のルルーシュの目の、本人とは独立したスキャナーみたいな動きが気持ち悪い。