第六話「夜会」

前回の半端な引きは、予想通りあっさり片付き、メインは闇のボスの福山潤との会談。

この福山潤、作中の用語で言うオールドブラッド、いわゆる長命種のヴァンパイアなわけだが、福山の役回りが下半身露出がメインだったり、ストロベリってる高校生だったりしているせいだけでなく、シナリオレベルで、エルダーであることをまったく感じさせない性格付けになってないのがいまいち。顔も言動も若いが、どこか違和感というのがこの手のキャラのポイントなのではないかと思うのだが(そうでないと、ただの「自称年寄り」の若造になってしまう)。むしろ、見かけどおり若くても何の問題もない転生体(リセットっということなんだろう)の中華街のボスのほうが年寄りに見えるのは、演出上正しいことなのかしら。

そして小太郎君と過去の彼女がどちらも南央美である理由もどうやら判明。
しかし、銀行と中華のどちらもが断ったのにはなにか裏がある――と盛り上げたその直後に、当の銀行と中華のボスが「トラブルメーカーはごめんなので」と、主人公たちに説明しに来る展開は狙ったギャグなのか悩むところ。ようするに銀行と中華はまだなにか隠しているということなのだろうけど、描き方がどう見ても悪い人たちではないので、どんな理由でもそれなりに同情できる理由なんだろうと想像できてしまうため、五里霧中の不安感とは程遠いのだった。もし、これで彼らが無慈悲な裏切りをして見せたら凄いインパクトだが、まあむりだろう。
 今回の引きである爆発オチは絵的なインパクトよりも、内容面での好奇心をかきたてるものでなかなか。