第二十四話「後南朝幻想」

本編ほぼラスト。鳥居の行動の理由、明らかになる西の民の正体、エドゲンの離反の可能性。

テーマ的には、異界や妖夷を、悪として廃そうとするもの(鳥居)、道具として利用しようとするもの(西の民)、適度に付き合っていこうとするもの(往壓)と、いわば「夢」に対する接し方の三つの典型が明確化したところ(*)で、見事なぐらい「転」への橋渡しエピソードである。アトルは単なるきっかけに過ぎないのだった。
 映像的には、一応、最後(前半クライマックス)ということで、過去最大の敵が登場。なんたって人類が作り出したもっとも強力なファンタジー、すわなち「神」であるのだから、弱いわけがない。かの巨大感が素晴らしい。漫画幻魔大戦の最後の敵を思い出したりして。

 さて、龍を切る剣で斬られた往壓は、人の部分だけ蘇る?
 
次回はインタールード! 露骨に未完っぽいが、無理やり終わらせるよりはいいかもしれない。DVDオリジナルの続篇の目処がたっているゆえの余裕もあるのだろう(できればテレビでじっくりたっぷりやってほしかったが……)
今回は出番が極少だった、宰蔵に見せ場がありますように、できれば巫女ダンス(*2)をしますように。


(*)會川晶の作品史的にはたとえば『機動戦艦ナデシコ』における「ゲキガンガー」が異界に相当する。
(*2)西の民との最終決戦は、彼女のダンス対敵のダンスであるような気がする。