シムーン

第二十六話「彼女達の肖像」

最終回である。 今、万感の思いを込めて、ヘリカル・モートリスが駆動する。 今、万感の思いを込めて、シムーン・アウレアがいく。 巫女の時代の終わりに彼女たちは思う。シムーンは、少女たちの心の中を飛んだ艇(ふね)だったのだと。 なんちゃって。 しかし…

第二十五話「パル」

二人を除く全てのシヴュラは大人に変じ(ユンもまた一つの大人のあり方である)、二人のシヴュラは、コールテンペストのみならず全ての巫女たちの希望(永続性)の象徴として、文字通り虚空へ旅立つ。 実質的な最終回である。白土三平の『ワタリ』を思い出し…

第二十四話「選択」

戦争という、戦い/祈りのことだけ考えていればいい、ある種のモラトリアム状態からほおり出されたシヴュラたちが、自らの道を決めていく話。 放置状態だった双子の葛藤や、ちょっとまえからクローズアップされだしたユンの運命、モリナスとワポーリフの微妙…

第二十三話「永遠の少女」

戦後処理、そしてついに紐解かれ始めるシムーンの秘密。 戦争の終結はもともと戦時下という緊迫感がたいしてなかった話なので(巫女様方は戦争をしているわけではなかったし)、夏休みの終わりぐらいの印象である。そうして「休暇」が終わり、棚上げにしてあ…

第二十二話「出撃」

宗教的アイコンが、自らの宗教的価値を認識する、という話と、艦長さんはマントを脱ぐとすごいんですという話と、ほぼ敗戦に近い和平という話。ずんばらのようでいてそれなりに繋がっているようでいてやっぱりあまり繋がっていないような気がするけれど、ラ…

第二十一話

いくつかの謎が明らかになったらさらに謎だらけになりました、という話。 異世界というより、タイムマシーン? リモネとドミヌーラ関係はタイムパラドックスオチなのか? いきなり歌を歌いだすのにはさすがに困った。序盤から頻出する出崎演出もこういうとき…

第二十話「嘆きの詩」

一話まるまるお通夜。よく出来てます。 暗く重く切ない。 棺に横たわる死んだマミーナの髪の毛をいつまでもいじっているロードレアモンとか、見ていてつらすぎる。 死は感覚的にはなかなか理解できない。だから触ることで体から納得させようとする。でもそれ…

第十九話「シヴュラ」

マミーナ散る。 ああけっこう好きなキャラだったのに。 という趣味の感慨はおくとして、敵国にも同じくシヴュラ(遺跡パワーで異世界から召喚した?)の存在を提示し、彼らの、軍とは異なる行動原理を示したあたりで、物語の方針はほぼ固まったと見ていい感…

第十七話「葬列」

みんながそれぞれの思惑で動き始めて、わやくちゃ、というお話。 謎も壮大というか膨大というか遠大というか、どういう答が見えてくるのかさっぱりわからないし、国家レベルで宗教サイドと実利サイドが対立をはじめて、これまたどうなるか全然見えないし、双…

第十七話「遺跡」

シムーンの謎の追求と前回の話のフォローを狙ったつなぎの回と思いきや、なんかとんでもないことに。 ゴーザ様は「偏在するもの」で、「泉」は時間と空間の拘束を受けないとは、そしてラストのあのキャラの登場――というか死に方――を見るに、複数の時空すら行…

第十六話「翠玉のリ・マージョン」

もっとも神に近づく業を行なったら、必然的に神に召される、という話。ドミヌーラとリモネの絆の描写をいくつか積み重ねてクライマックスのリマージョンのシーンへと至る構成はとてもいい。平行して進むパライエッタの煩悶のほうは、説明的にすぎる気がする…

 第十五話「一人、また一人」

ずるずると混乱状態が続きます。 パライエッタの苦悩とか、ネヴィリルの不安定振りとか。 今回の影の主役はドミヌーラ。なんと意外にも復帰。いや、キャラ的に唯一神に意図的に歯向かうタイプだったから(アーエルはただの無関心)、この復帰は当然というべ…

 第十四話「冒さざるもの」

神の浄器」の実像に文字通りメスを入れた一編。 ドミヌーラはシビュラとしては退場か? しかしおもしろい。 姉妹の対立がなんとなくなかったことになっているようなのがちょいと気になるが、そこは次回以降にするとして、今回のメインである、シムーンとは何…

 第十三話「理(ことわり)」

あれ? 姉と妹の話は先送り? ううむ。せっかく盛り上がってきたのに。 そして代わりにクローズアップされたのが、前回振られたアーエル対ネヴィリル。自爆攻撃事件ですこしは洞察力がついたかと思ったらそんなことはまったくなく、人としてありえない無神経…

 第十二話「姉と妹」

おかしい。なんでこんなに面白いんだろう? あ、馬鹿にしているのではないです。 今回は、サブタイトルが示すとおりの双子の葛藤の話だが、姉と妹、だけでなく、昼と夜(双子それぞれが思う理想的な「二人の関係」を象徴)、であったり、抱くもの抱かれるも…

 第十一話「共同戦線」

うーむ。 ハルヒの後でみるといつもより評価が上がりそうだ。そうでなくてもここのところ評価が上がっているというのに。 いやようするに楽しかったんですが。 さて、今回は、「人の戦い」と「神の戦い」という話。戦争と無差別破壊の違い、とも言う。そこに…

第十話

キャラクターの見分けがついてきて、各話毎のコンセプトが明確になってきたら、ずいぶんと面白いではないですか。馴れでしょうか? 詩集でも出しそうな名前の貴族(やっぱり伯爵家?)の娘とその使用人、という一体いつの時代の話ですかといいたくなるような…

 第九話「審問」

センスオブワンダー! 噛み合わない会話が昇華されて、なんとなく意味がありそうな禅問答に! これがいわゆるケミストリー? 駄目人間を集めたコールテンペストが最強のチーム、みたいなもの? まあこのアニメはまだまだ最強とはいえないけれど。 戦闘は神へ…

第八話「祈り」

今回はじめて普通に面白いと思えた。 相変わらずキャラクターの会話はズレまくってるし、上層部敵国その他いろいろと馬鹿すぎだしで、まずいところも山積なのだが、目的あるものと目的なきものの対比、目的あるものでも祈りある者と祈り無き者の対比、二項対…

 第七話

さらにダメ人間がふえる。おーい。 二人の新メンバーもすごいが、国のことを考えているようで実は娘のことしか考えてないネヴィリルパパもすごい。ダメだこの軍。 もしかして狭いところに対人関係がまずい人たちを押し込めておくとステキな化学反応が起きま…

 第六話「傷と痛み」

コールテンペストの皆さんがどこへ飛びたいのかさっぱりわかりません。 もしかして、ピンクが立ち直るまで、延々サブキャラたちの暗い心理劇を続けるつもりなんでしょうか? 主人公もわざとなのか妙にケンがあって、とても主人公に見えないし。 そういえば、…

 第五話「白い孤独」

地獄少女、じゃない天才少女の話。 ええと、このまま本筋がはっきりしないままにキャラ別のエピソードを続けていくつもりなのだろうか? どうも何を考えているのかわからないなあ。金のお団子主人公がみんなを変えていく話ってことなのか? ううむ。ちょっと…

 第四話

引き続き主人公は周りのいうことをまったく聞きません。理由があるから、という理由で大目に見られるというのは一種主人公特権みたいなものなのでいいと思うけど、その理由が大人になりたくない、というのはどうなんでしょうか。青春ものだから、モラトリア…

 第三話

ううむ。この船にやってくる新人は横柄で人の話を聞かないがデフォルトなのだろうか? もうちょっとバリエーションをください。 話を聞かないといえば、会話が噛み合ってないというか、会話の流れをまったく受けないで別の話をはじめたり行動するキャラが多…

 第二話

徐々に世界設定が見えてくる。 主人公は黄色お団子娘なのね。しかし一番人間的に問題がありそうなキャラだ。あの人の話を聞かないノリは最近何か別の話で見たような。声が雪野五月を下手にしたような感じだから、或いは千鳥かなめとイメージが被っているのか…

 第一話

キャラクターデザインが西田亜沙子、美術監督が小林七郎と、グラフィック面は期待度十分。っていうかそれだけの目的で見る。 で、いざ見始めたら、冒頭いきなり能登麻美子が喋りだして、地獄少女の続きと思ったのは個人的なことである。 で、とりあえず映像…