第十四話「冒さざるもの」

神の浄器」の実像に文字通りメスを入れた一編。
 ドミヌーラはシビュラとしては退場か? しかしおもしろい。

 姉妹の対立がなんとなくなかったことになっているようなのがちょいと気になるが、そこは次回以降にするとして、今回のメインである、シムーンとは何かというところの見せ方がいい。

 まず、シムーンブラックボックス的部分はあるにせよ単なる機械であるとし、実際に解体までさせて内部にはなにもない(*)、とまで言わせて、「巫女には違うものが見える」とその「神性」を確定させるあたりの流れは素晴らしい。ドミヌーラがああなったのは、彼女が神の世界へ直通する何かを直視してしまったということなのだろう。それは不敬であり、天罰が下る、というわけである。
 
 うーむ、放送開始時はこんな話になるとはぜんぜん思わなかった。もっとも、この先どう話を進めていくのか、今もってほとんどわからないのですが(アーエル対ネヴィリル以外はどうするんだろ?)。


* 内部構造が螺旋、というのに、夢枕獏の『上弦の月を食べる獅子』を連想した人は少なくないはず。
 螺旋とは古今東西、神へいたる道である。