第十二話「姉と妹」

おかしい。なんでこんなに面白いんだろう? あ、馬鹿にしているのではないです。

 今回は、サブタイトルが示すとおりの双子の葛藤の話だが、姉と妹、だけでなく、昼と夜(双子それぞれが思う理想的な「二人の関係」を象徴)、であったり、抱くもの抱かれるもの、であったり、と、いくつものレベルで二項対立を並べて奥行きを与え、さらにその対立がそもそも無効なのでは、という問いかけに発展していく。こういう抽象方面に視聴者の思考を刺激できるのは、判じ物的な世界設定ならではである。
 さらにはこの対立に連鎖するかたちでアーエルとネヴィリルの決定的な対照(全体を見ようとするネヴィリルと自分しか見えていないアーエル)を示し、今後のドラマの方向性を暗示する。うーむ見事。

 ストーリー面でも、シムーンが「神の意思の具現化」であることを示すエピソードがあったり、同じおんぼろ船でも曲線で構成されているメシスと、直線で構成されている敵輸送船の対比(雲の中からこれが出てくるところは、難破船と遭遇する海洋ホラー感覚で素敵だった)など、もりだくさん。
 さすがにここまで話題を拡げると今回では終わらないのであった。どうか、尻つぼみに終わりませんように。