第十一話「共同戦線」

うーむ。
 ハルヒの後でみるといつもより評価が上がりそうだ。そうでなくてもここのところ評価が上がっているというのに。
 いやようするに楽しかったんですが。

 さて、今回は、「人の戦い」と「神の戦い」という話。戦争と無差別破壊の違い、とも言う。そこに「人の世界(兵士の物語)」と「神の世界(巫女の物語)」の共感と決定的な断絶というレベルの話も重なる。シンプルかつ結構安直なシナリオなのに、摩訶不思議な奥行きが生まれている。

 これは、見事な「蓄積の勝利」といえましょう。
 そうして、あののんきなタンゴがアイロニーにすら感じられるのだ(これは別に贔屓の引き倒しではない。人の戦いのところはちゃんと重厚なオーケストラである)。

 さて、この先、こうやって一つ一つ、二つの世界のズレを再考していくのだろうか? 果たしてその果てに何が待っているのだろうか?
 正直ストーリーやキャラクターはまだまだ駄目だと思うのだが、この仕掛けによってたくらまれたものが何かだけは見届けないといけないと思う。あるいは何もなかったか、であるかもしれないが。