第二十三話「永遠の少女」

戦後処理、そしてついに紐解かれ始めるシムーンの秘密。
戦争の終結はもともと戦時下という緊迫感がたいしてなかった話なので(巫女様方は戦争をしているわけではなかったし)、夏休みの終わりぐらいの印象である。そうして「休暇」が終わり、棚上げにしてあった、いわば「宿題」である問題――巫女として生きるべきかいなか、対人問題、そもそも巫女とは何者か――というが全面に躍りでてくるわけである。このあたりの物理的な要因に寄らないサスペンスがじわじわと心地いい。
 
シムーンとオナシアの秘密については次回待ちなので、語りにくいが、リモネ&ドミヌーラコンビのどちらかなのかとは思ったところ。もっとも、あの二人は和解先の巫女にもう転生してますが。

意外というか興味深いのは、ことの真相に今一番近づいているのが本来部外者であるユンであるというところ。部外者であるがゆえにオナシアもまた真相を明かす気になった、という段取りだが、そういう段取りをもってユンを今後の物語の核に近い位置におくことにどういう狙いがあるのか、というのがポイントである。しかしここまできてまだ作品の目指す先が良くわからないのは、はたして意図どおりなのか、単に伝達能力不足なのか、こちらが馬鹿なのか、難しいところである。

メインのネヴィリル対アーエルはそろそろ次回あたり本格的にひと悶着(でもたぶん愛のひと悶着)ありそうで、そのあたりから真のテーマというか終結点が見えてくることに期待。