第十九話「シヴュラ」

マミーナ散る。
ああけっこう好きなキャラだったのに。

という趣味の感慨はおくとして、敵国にも同じくシヴュラ(遺跡パワーで異世界から召喚した?)の存在を提示し、彼らの、軍とは異なる行動原理を示したあたりで、物語の方針はほぼ固まったと見ていい感じである(いまさらという気もするが)。

 それは、信仰を忘れ、実利へ――言ってみれば「男性的な」世界観へ――傾く国家と、宗教家たち――言ってみれば「女性的なる」世界観の体現――の対立、という方針だ。
 考えてみると、二人の主人公アーエルとネヴィリルの対立も同じ構造である。作劇的には、この二人の対立の敷衍拡張版が軍制と宗教の戦いということになるのかな。
 ただし、それは単体である問題なのではなく、実在するらしい「神」の存在や、現実に展開している戦争状態、シムーンを劈頭に置くSF的な謎と、解きほぐすべき問題と絡み合って存在しているので、すっきり解決するのは難しそうである。少なくても戦争は終わらないのではあるまいか。最悪アーエルの「悟り」(多分これがドラマ面のクライマックスだろう。シムーンに乗ることは「戦争」なのか「祈り」なのか、ということに対する答が、それにあたるはずだ)、それのみを描いて、あとは全てなげっぱなしで終わる可能性もある。まあそこにいたる過程が納得いくものであるならば、整合性や完結性はそれほど重要ではないのだけども。

 それにしても、持ち回り度の高いアニメである。
 ゆかなははっきりキャラとして存在している登場人物だけでもこれでもう三人目だし。リモネなんて転生体を一度に二体も投下してきている。大体リモネ以前に能登麻美子は一話で死んでるしねえ。設定上男性声優が使えないから、使えるキャスト数に限りが出てくるのはわかるのだけど、こうも同じ声が出てくるってのはどうなんだろうか。