第二十話「嘆きの詩」

 一話まるまるお通夜。よく出来てます。
 暗く重く切ない。
 棺に横たわる死んだマミーナの髪の毛をいつまでもいじっているロードレアモンとか、見ていてつらすぎる。

 死は感覚的にはなかなか理解できない。だから触ることで体から納得させようとする。でもそれはどう見てもその人で、いなくなったようには見えない。だからいつまでも触り続ける。そういうものだ。
 
 オナシアさまの胡散臭さは今にはじまったことじゃないし、今回の「ここに彼女の心がある」とかは、やっぱりいらっとくるが、それをフロエにすぱっと言ってのけさせたのはうまい。
 ここは視聴者の疑念、懐疑を代弁することで、シビュラたちと視聴者を身近にする必要なところで、そしてそれが言うにあたっては、一見お花畑の住人のようでいて、メンバーの中でも屈指の現実主義者なフロエがいちばん相応しい。
 シビュラたちはオナシアの言葉を盲信するでなく、オナシアの言葉に導かれたロードレアモンを信じ、自らの意思で葬送の儀式を執り行う。すばらしい。

 さて次回は「新世界への扉」。平行宇宙に脱出するとかそういうはなしになるのか?
 いくらいい話をやっても、あいかわらず、さっぱり安心させてくれないのだった。