第十七話「葬列」

 みんながそれぞれの思惑で動き始めて、わやくちゃ、というお話。
 謎も壮大というか膨大というか遠大というか、どういう答が見えてくるのかさっぱりわからないし、国家レベルで宗教サイドと実利サイドが対立をはじめて、これまたどうなるか全然見えないし、双子にパライエッタにマミーナといったキャラたちの鬱屈も提示されるばかりで、解決の糸口がさっぱりだし、戦争の行く末も当然のことながら見えてこないしで、なんというかこう「クオ・ヴァディス?」とかついいってみたくなるような、不安定振りである。
 ただ、初期の方向性のはっきりしない状態とは違う。先が見えないのは視聴者だけでなく登場人物も同じであり、つまりそれがそのシムーンという物語の見せたいものなのだろう。主人公たちの謎や神秘や混乱を前にした不安を、直接に視聴者に伝える、という。
 ぎこちないなりにキャラクターをちゃんと描いてきた結果、それが出来るようになったのだ。
 もっとも物語そのものが、最後まで躓かずにいけるかどうかすら不安であるのは、作り手も計算してないかもしれないが……。