第二十五話「パル」

二人を除く全てのシヴュラは大人に変じ(ユンもまた一つの大人のあり方である)、二人のシヴュラは、コールテンペストのみならず全ての巫女たちの希望(永続性)の象徴として、文字通り虚空へ旅立つ。

実質的な最終回である。白土三平の『ワタリ』を思い出したりして。

台詞に関しては今回は妙に自然というか、このシリーズにしては繋がりが明瞭過ぎて、あの独特の不思議テイストが薄れていたのが――たとえば巫女から一般人の転化を示すのに「祈りじゃなくて搭乗」とはっきり言いかえさせてみせたりとか――、ちょっと寂しかったけど、最後だしこれぐらいベタでも良いだろうとも思う。
Q国の巫女さんがなんだかんだで味方してくれるのは何話もまえから説明されていたし、当然終盤の逆転劇も意外性ではなくお約束に近い流れなのだが、その逆転のしかたに見せ場をちゃんと持ってきたのはいい。まさかあのダイビングプールから出てくるとは!(ワポーリフが手伝ったんだろうか?)。無理がありすぎるが、少年漫画的昂揚感もあったりする。

そんなこんなで次回は、エピローグ。
しかしこの期に及んで、各キャラクターのドラマパート以外は、どんな話だったかまとめにくいというか、どんな話だったかわからないというか、ある意味シムーンの謎より厄介な話でございました。

あ、謎といえば爆死したはずが生きていた(そしてまた死んだ)「アーエル!」の人の話はどうなったんだろう? 彼女は異世界から来たパラレルな存在という程度のことでいいのかな。