第九話「審問」

センスオブワンダー!
 噛み合わない会話が昇華されて、なんとなく意味がありそうな禅問答に! これがいわゆるケミストリー? 駄目人間を集めたコールテンペストが最強のチーム、みたいなもの? まあこのアニメはまだまだ最強とはいえないけれど。

 戦闘は神への祈りであり、兵器は神の器であり、というのを前面に打ち出した査問の場から、それを実地でやってして見せる、追悼の儀からの戦闘場面への流れ、および戦いの顛末は、不思議なぐらい盛り上がる。
 いやじつは、不思議ではない。まずなんのために戦うか、がはっきり見えているからである。次に、それがかけていた仲間が終結して、総攻撃、という王道パターンだからである。

 そして、なにより、彼女らがなにをしているかがはっきりわかるからである。

 そう、コールたちの「舞」はたぶんそれ自体には何の力もないのだ。あれは神の助力を仰ぐ、まさに「祈り」なのである。彼女らは舞い、神に「祈る」。その舞が美しく完璧であれば、神は応え、「天罰」を下すのだ。言葉遊びが言葉遊びでないことが明瞭になる瞬間である。
 もう一度言おう、センスオブワンダー!

 しかしこれ、考えようによってはとんでもない話である。「神の奇跡」を兵器として使うのだから。
 なんにせよ、面白くなってまいりました。
 問題はこのすごいシチュエーションの先になにがあるかが全然見えないことだが……。

 ところで、佐藤俊彦の音楽はけっこういいのだけど、モーツァルトそのままの曲だけはどうにも困る。原曲をアレンジして使えばいいのに。 あと、一番神々しいはずの方が、ゴーストバスターズのゴーザ様みたいだったのは、ちょっとどうかと思います。いや確かにゴーザも神様だけどさあ。