あさっての方向。

第十二話「ここにいること」

一週間たったので、少年はもう納得したのでした。願い石は小さなかけらがあれば、あっさり入れ替わりが戻せるのでした。と、誰の目にもご都合主義炸裂なオチですが、これ以外にやりようはなかったともいえるので、その辺はよしとします。 ただ、ひと夏の物語…

第十一話

ようやく「変身」というファンタジー設定に切り込む。 もちろん、にわかには信じがたいわけである。何箇所かで納得する足がかりになるようなネタをちりばめてきてはいるし、少年側が「まさか」と思えるような下地はそこそこ出来ているとは思うが、それでもや…

第十話「ほんとうの名前」

ほんとうの名前がバレる、のではなく、ほんとうの名前が言えない、という話でありました。 脱サラの先生と小清水亜美(ちょっと、露出狂の気味がないですか、このキャラ)とのやり取りや、少年のピュアな告白等それぞれのキャラの心理描写は丁寧でいいのだが…

第九話

おそろしくあっさりあきらめている兄の姿になんか納得。車掌に話して、次の駅で先行車を足止めしてもらうとか、やりようはいくつもありそうなのに、あくまで「妹に逃げられた不幸な自分」に耽溺。そういうやつだよなあ。 他方、再びドラマに参加を始めた少年…

第八話「あさっての方向」

からだ家出編。 ストーリー上も設定上も、ほぼ確実にうまくいくことがないとわかっていること――職探しとか――を、試みる描写が延々続くのは見ていて疲れます。面接のおばちゃんとか、からだのリアクション等で、息抜きをはかっているのはわかるのだけど、そも…

第七話「二人のつかのま」

タイトルはダブルミーニングでありました。「椒子と兄」と「椒子とからだ」と。 要するに椒子の内面に多角的に迫った回だったわけですね。 ドラマ的には、とくに「椒子とからだ」パートは、からだがいろいろ大人すぎる気がすることを除けば、映像も、芝居もいい…

第六話「夏の永遠」

少年の物語。 大筋から見ると外伝に近い内容であるのは、下手に気づかせるわけにもいかないし、かといって、まったく無縁ではお話にならないという、シナリオ上の制約のせいであるのだろう。別に原作がゲームでもないのに、今回の選択が、別エンディング――少…

第五話

椒子さんが子供に戻ったことで、子供時代の失敗を(心理的に)やり直すことができた、という話 椒子さんに全面的にスポットが当たっている分、からだの話は停滞。まあ大人になりたかった子供の話より、いろいろ複雑な大人の話のほうが、話題には事欠かないし…

第四話

物語的には、要たる兄を翔子とからだの(非日常の)世界にとりこんで布石完了、というのが今回の狙いで、それ自体は成功していると思うのだが、その兄のキャラが不快すぎるのがどうにもこうにもきびしい。 内面描写がろくにされてないので、外面から判断する…

第三話「新しい生活」

からだのキャラクターがまた一話目に戻った気がする第三話。丁寧語でしっかりさんモードは、偽装というか「そうしている」キャラ、ということなのかな。 しかしこの話の癌はお兄さんだな。正確にはこの話の世界における癌ということだけど。 たとえば、あの…

第二話

放映日はおろか番組の存在まで忘れかけてたりして。 しかし見てみると、それなりに面白い。 いきなりからだの口調が変わっているとか、眼鏡が簡単に割れすぎとか眼鏡のまま枕に顔をおしつける人間はいない、妹の失踪を警察にも訴えない兄とか(何か理由があ…

第一話

田舎を舞台とした、二人暮らしをしている風変わりな兄妹と、兄の過去の女と、近所の姉弟たちの遭遇するちょっとしたファンタジーってな感じの話。 映像よし、田舎の雰囲気よし、台詞に頼らない描写の表現力高しと、コミックブレイドものではアリアに並ぶ良作…