第三話「新しい生活」

からだのキャラクターがまた一話目に戻った気がする第三話。丁寧語でしっかりさんモードは、偽装というか「そうしている」キャラ、ということなのかな。

 しかしこの話の癌はお兄さんだな。正確にはこの話の世界における癌ということだけど。

たとえば、あの別れの手紙だ。
あれは一体なんなんだ? どうしてそうしたか、という過程を次回以降描くようなので、そこでもう少しは同情すべきキャラに見えてくるのかもしれないけれど、現時点では端的にいって、無神経で身勝手な阿呆。深読みしても、同世代の恋人から、小さな恋人に乗り換えただけという風にしかみえない。
あるいは同情&保護欲が、愛情を上回る人なんでしょうか? というか帰れない事情をちゃんと説明すれば、翔子さんもあんなにひねくれなかったと思うのだけど(前回の「妹の失踪」への対応もそうだが、子供モードの翔子に対する大人げのない応対からしても、どうにもまともな常識、思いやりのある人間にはみえないのがいかにもまずい)。

さて、このままいくと、駄目男をめぐっての翔子対からだの骨肉の争奪戦になりそうなわけですが、ちょっと勘弁して欲しい。
せめてもう少し男にまともな内実を与えて欲しいところである。
大きな山場もない進行のわりに、作品が緩まないのはたいしたものなのに、肝心のドラマがこれでは、いささかちょっと悲しいものがあります。