第七話「二人のつかのま」

 タイトルはダブルミーニングでありました。「椒子と兄」と「椒子とからだ」と。
 要するに椒子の内面に多角的に迫った回だったわけですね。
ドラマ的には、とくに「椒子とからだ」パートは、からだがいろいろ大人すぎる気がすることを除けば、映像も、芝居もいい感じでした。バターの湯煎を知らないとかは、その七面鳥料理の回想と合わせて、いわゆる「地獄のように料理が下手」みたいな記号的表現とは違う次元で椒子のパーソナリティが描き出せていた(言われてみると確かに、「バターをお湯で溶かす」とは、知らない人には椒子が誤解したような指示に聞こえるのかもしれない)。
 過去編の兄が今よりは少しはまともに見えるのは髪形のせいか。

 そして「つかのま」が壊れるラスト。からだは突然子供になる。第一回のときのリフレイン。ただし今回は、椒子さんに嫌がらせされたわけではないので(兄との関係を秘密にされていたのをうらぎりととったのかもしれないが)、基本的にはからだ個人の問題なのだった。その葛藤の解決が次回、というわけである。外野としては、あの兄の何がいいのだと思わないでもないが…・・・。