第八話

 雪山サバイバル。伍長による少尉へのセクハラがメイン? いや、定番展開――言われて顔を赤らめるアリス、がなかったから、その辺は抑制しているつもりなのか?
 話自体は恐ろしく単純で起伏がない。追っかけられる、逃げる、山小屋にこもる、山小屋脱出、的をやっつける。これだけ。
 キャラの性格を生かした毛布で脱出作戦は良かったんだけど、それだけで力尽きられても困るわけである。

 戦いの締めを伍長にやらせるのは定番なのでいいのだけれど、いくら無敵モードだからといって(銃弾で死なないのはそういうことだよね?)、棒立ちで待ち受けるのはどうなんでしょうか。雪崩おこしが目的ならば、撃ったらさっさと逃げればよかったのに。敵がたまたま馬鹿だったから、律儀に止まってくれたけど、普通の敵なら、脇をすり抜けられてしまうので、足止めにはならないし。

敵さんのラストの「俺たちもあの村出身」云々も微妙。村のことを思えるやつがなぜ山賊になるか(実はそう悪くない敵、というのは第一話の戦車のボスみたいにバックボーンの説明があって始めて成り立つネタでしょう)。

このシリーズ、アリス少尉と伍長の組み合わせをうまく使えてないのが、ここのところのつまらなさの原因である気がする。
ストーリー的には、隊長なんだから、初期はともかく、いい加減伍長の能力をちゃんと把握して、戦略としていかせるようではないと駄目だろうし、ドラマ的には、「ヒロイン」たる伍長の理解者に(あるいはその孤独を埋めるものに)なっていかなければならないのに、それがまったくできてない。たとえば901部隊についても、眼鏡くんに任せておくのでなく、もっと自分から切り込んでいくべきだろう。
だから話はいつまでも一話の半端なバリエーションに終始してしまう。それでいて、変にシリアス風味が増えたせいで、ノリだけは悪くなって、かくも低調になってしまっているように見えるのである。