第十話「ほんとうの名前」

ほんとうの名前がバレる、のではなく、ほんとうの名前が言えない、という話でありました。
脱サラの先生と小清水亜美(ちょっと、露出狂の気味がないですか、このキャラ)とのやり取りや、少年のピュアな告白等それぞれのキャラの心理描写は丁寧でいいのだが、お話としては行き詰っているような気もする。キャラクターの行動やその世界が自然でリアルであればあるほど、願い石の力で大人になったという設定を「他のキャラに納得させる/気づかせる」のが難しくなっていくのだ。
つまり、一体どこの電波人間が、目の前の大人の女性こそ小学六年生の友達の変身した姿だと喝破できるか、あるいは自分が小学六年生の友達の変身した姿だという大人の女性の主張を信じることできるのか、ということである。

もちろん後先考えずにシナリオを書いているはずないのだから、ちゃんと段取りは考えているんだろうけど、ここから少年に魔法を信じさせるのはかなりアクロバットというか無理が生じそうな気がしてならない。

というような先の疑問を除くとけっこういい出来で、これであの兄が出てくるシーンさえなければもっとよかったのに、と思う。相変わらずスカすばかりで、何もしない屑である。なんとかならないかねえ。