第十九話「巫女の故郷」

個別シリーズの妹巫女編の前半。ちなみにゲストは姉巫女である。声は妹が大人っぽくしゃべっているようなかんじ。
 個人の意思より血統に由来する役割を重視する旧家の因習に、お兄ちゃん社長が異議を唱えてがんばる話、と見せかけて、猫屋敷&姉巫女VS家長の婆ちゃんの策謀合戦であったという、二段構えの構成、今回は前編なので婆ちゃんの仕掛けが功を奏したところで終わるわけだが、蜜柑が犠牲になることはまずありえないし、ほぼ無敵キャラの猫屋敷、さらにワイルドカードのギアスを持っている社長がいる、という、悪い展開になることが想像すらできない状況なので、ある意味安心の引きといえる。でも、婆ちゃんの策士ぶりはよい。
 テーマ的にも、社長がよりどころとする一般の人間的な価値判断と婆ちゃんたちの魔術結社よりのそれとのぶつかり合いという、極オーソドックスなものだから、どうせ社長の言い分が通るとみえており、安心といえるのだが、魔術結社の社長としてそれでいいのかというとちょっと考えるものがある。でもここで社長意識に目覚められて「大人の理屈」を唱えられても困るしねえ。