冒頭でいじめっ子がメインヒロインらしき人をグーでぼこぼこ殴ったり、そのヒロインに対する応対が教師ですらなんかおかしかったりと、なにやらただならないテーマ設定(田舎の陰湿さの研究?)を孕んでいそうなエロゲーアニメ。
 基本的に風光明媚(ロケーションの意味にあらず)がうりのの萌えアニメにおいて、それを楽しむことが出来ない主人公、というのは目新しいなあと思っていたら、その話はたった一話で終了してしまったのだった。サブタイトルの「砂についた足跡」っていうのはそれを意味しているのか、とかいまさら思ったりする。
 キャラクターはこの手のものでは普通ともいえる奇矯さで、もはや印象に残るほどものはないし(その意味ではクラナドはよくやっているといえる)、映像的にも特筆するようなところはない。主人公の「失明」をめぐる展開が意想外といえばそうだが、いきなり設定を反故にすれば誰だって驚くというだけの話。後半また失明する、みたいな展開をふまえての「回復」ならば、この唐突さも意味を持つが……。
 作品的な売りと見所はハーレム展開とかではなくもっぱらヒロインへのいじめをどう処理していくか、にあるように思うが、はたしてどうなることやら。主人公のピュアな尽力でお手軽にいじめが止まるのもつまらないが、いじめがエスカレートしていくようなのも見たくないしね(いや、最終的に生前の閻魔あい方式に辺りを焦土と化すオチならありか?)。