第十一話

前回の直接の続きで、千秋、ピアニストとしても世界デビュー。

冒頭の十分、千秋の演奏するラフマニノフが流れるなか、人々の心が移ろっていくさまが描かれるくだりが実にいい。映画の宣伝文句めくが、いきなりクライマックスでした。CGによる演奏シーンは味も素っ気もないが(あれなら金色のコルダの手書きテイスト溢れる作画のほうが、多少ぎこちなくても見ていて楽しい)、静止画像よりは間がもつし、画面の切り返しと細かい表情、藤原刑事の独白のつなげたかたが巧みで、クラシックに慣れてない人でも音楽に入りやすく、楽しく見られるように工夫されているのは立派。

ドラマ的には、千秋はここでひとまず「上がり」で、のだめたちの巻き返しが今後しばらくの焦点になるようだけど、基本的に天才とか異才とか奇才とか秀才とか、そういうタイプのキャラばかりなので(元カノの人だって、技術的な才能自体はあるわけだ)、話を複雑化しても同じような話の繰り返しが増えるばかりで、あまりうるところはないかもしれないが。

次回は四月十二日。遠いですね。