第四話、第五話

対鳥男――大きくみれば、蝶野編への中盤でもある――をまとめて見る。

第四話の「蜘蛛の糸」(芥川でなく筋肉少女帯のほう)がモチーフの蝶野の独白は、その「透明な人間であること」という孤独感がうまく表現されていた。頭の中ではアコースティックバージョンの蜘蛛の糸が勝手に鳴り響いていました。「♪くーものいーとを昇って、いつのー日か、見下ろしてやる!」ってやつですね。

しかし荒木絵は、ありなのか。素晴らしいことである。
ホームレス状態の斗貴子さん(を妄想するカズキ)もそうだが、原作からアニメへそのまま変換はするときはかなり丁寧で律儀。カット単位で再現してたりするし。こういうやり方はファンを喜ばせる代わりに、アニメとしての存在意義をなくすこともある、諸刃の剣だけど、今回はテンポよく進行してアニメとしても成功といえましょう。

第四話後半から第五話にかけての鳥男との直接戦闘は、重量感の表現や戦闘のわかりやすさの点において原作を上回っていたように思う。例によってせりふは無駄に多いが、槍を構えたり回想ショットを入れたりといった「溜め」のパートとうまく同期させることで、どうにかアニメ的なカタルシスを殺さずにすんだ感じである。とくに「蝶野を守るために生きる」鳥男の論理の打ち出しは原作以上に鮮明になっており、その消滅も、単なるお邪魔キャラの退場でない、奥行きのあるものになっていた。

さあ次回は本命、蝶野である。いろいろな意味で物語の肝となる話なので、今回のレベルかそれを超えるレベルで仕上がってほしいところ。

それにつけても、毎回どんどん変になっていくエンドカードのメッセージはいったいなんなんだろう? 次回は、第四話の私服の斗貴子さんクラスのエロスはないと思うのですが……いや、あの人のあれがある意味エロス?