第百三十四話

前半は機械の力で遊びすぎた人間がその機械の力で報復されるというドラえもん的なネタ。
でも、基本的に遊ばれる側に感情移入させるのがドラえもんとは違うところ。ケロロが被害者のときはケロロに、夏美たちが被害者に転じたときは夏美たちに、という感じで、いじめる快感もなければ、逆襲の快感もないという、どこまでも第三者的な位置で見せるのがミソ。
おかげで、ようするに病人をもてあそぶという結構悪趣味な話なのに、いやな雰囲気はない。そのぶん、カタルシスもないけど、そのバランス感覚は悪くない。

後半は、秋葉原ネタ。といってもはやワイドショーでネタになるまでに陳腐化したオタク街としての秋葉原でなくて、昔ながらの電気街としての秋葉原がまだなくなっていない、シャッターが閉じまくった通りに象徴されるように、変わりつつ――寂れつつはあっても、というアプローチでいく姿勢は原作ケロロでも時折出てくる最先端と古きよきもののせめぎあいという主題ともからみあっていて、とてもよろしい。個人的にはどっちの秋葉原にもなんの思い入れもないのだが、古い秋葉原好きはけっこううれしかったのではなかろうか。
 しかし、あの豹が出てくるとは。