第三話

ようやく冒頭のシーンの意味がはっきりし、主人公たちになにがあったかはわかる。
 が、しかし葬儀屋の動機はわからないし、死者蘇生の論理も、蘇生者が犬人間と戦う理由もわからず、作品全体を覆う不条理感は拭われない。なぜ素手で戦うのか、なぜ時間と場所が決まっているのか、なぜ葬儀屋は戦わないのか、いつまで続くのか、どうして始まったのか、これらはもちろんおいおい明かされていくのだろうとは思うが、勿体をつけすぎるのはあまり格好よろしくない。
 特にこの話の場合、いわゆるSFやオカルトミステリーなどと違って謎が主体なのではなく、あくまでこのような状況に取り込まれてしまった主人公たちの心理劇が主体であるようなのだから、舞台設定は速やかに確立してしまったほうがいいように思う。

 あ、そういえば今回はミュージカルにならなかったな。エンディングの歌はいつ消えてもまったく問題ないが、ミュージカルは毎回やって欲しいところ。