第四十九話

まさかのディーヴァ組総退陣。
まず、無敵ともいえるぐらいに強そうだった中田シュヴァリエは、より強くなるはずの変身後、むしろ弱くなって(ハジが応戦できるレベルなんて、かなり弱い)、あっさり雷撃死。体をちぎっての串刺しから脱出ぐらいは容易に出来たはずなのに。

そしてあのソロモンをあっさり返り討ちにした強さのディーヴァは、そのソロモンよりはるかに弱い小夜をなぜかぜんぜんしとめられないまま、相打ちにかならない体たらく。そしていきなり、小夜にはディーヴァの血はきかないが、ディーヴァには小夜の血が効くようになったという、新設定が披露され(ここは、種の保存という目的を果たした個体が弱くなるというはよくあることであるので、そう無理はないが)、あっさり死亡。そしてあれだけディーヴァを排除しようとしていた小夜は最後の最後でいきなり同情したりなんかしちゃったりして。
 もうすこし伏線を張るか演出を工夫するかしてくれ。あれだとかえって偽善っぽい。何かもうもうすこし、小夜とディーヴァの微妙なつながりと反目を描く描写を積み重ねてこられなかったのかと思う。

最大の茶番は藤原シュヴァリエであろう。
あなたは先代の――すなわち小夜とディーヴァの母親の――シュヴァリエだ、というような仄めかしを前回してなかったですか? あるいはそのもっと前からいる、というような。 言ってみただけ?  もしかしたら中田シュヴァリエより強いかもしれなかったのに、全然戦わず、殺して宣言とは。思わず声に出して「エッ?」とか言いそうになってしまいましたですよ。
ジャンプの打ち切り漫画でももうすこし工夫してキャラを整理すると思うのだけどねえ。
崩壊描写がないから実は生きている……というのもありえるが、その場合、説得力のない死を覆すことに何の意味があるのかよくわかりません。普通に考えて子供をつれて逃げるキャラだったのではないかねえ。

小夜が子供を殺せないのは今まで展開してきたストーリー的には苦しいが、放映時間と放送倫理の問題からすると仕方ないだろう。
もっとも、翼手も人も同じ生命で、子供はちゃんと育てればいい、みたいな話になってしまうと、ディーヴァだって殺す必要はなくなってしまうんだけどね。他の生物の死を代償として生きているという意味では等価だ、というのは、「善き」吸血鬼ものの基本的な思考ではあるけど、そういうのは作中でずっと出してこないと意味がないのだ。DNA段階から異質とかそういうネタを繰り広げたあとではいかにも無理がある。
さて、どうするのやら。

 カイたちがあたりまえのように翼手を殺しているのはまあいいや。
 前回あたりからまた急にアメリカを悪役にし出したのは実はラスボスはアメリカなのか?