第七話

 いいって言われたからっていきなり口にキスするか普通?
 生活習慣として貴族に対するおそれが無いというのはまあよくわかる、王族とされている人たちにも無遠慮なのはもう状況が読めないキャラなのとしか思えない。この現代の地球にだって王族とか皇族とか特権階級っぽいのはいるし、なにしおう最高権力者へのおそれみたいなものは、民主主義が骨と染み付いた一般人でも持っていそうなものだが……。
 単にお姫様の唇を奪う口実がほしかったとかならまだわからないでもないけどねえ。
 
 というのはさておき、本編は潜入捜査官な話なのだが、相変わらずなんの工夫も努力もなく、状況が勝手に都合がいいふうに整っていくだけなので、なんのサスペンスもないですな。主人公が平民なり、使い魔なりの矜持を見せるでもなく、ルイーズが身分を隠したままで頑張るでもなく、ただ権威を乱用するものに対して水戸黄門式に更なる権威で押しつぶすだけ。本質的な解決には何にもなってないわけで。
 いやまあここはルイズとサイトの関係性を強調したいだけのイベントということであとはどうでもいいと見るべきなのかもしれない。階級制度の頂点たる人物が仲間でいる以上、このネタはたいして深まらない可能性が大だし。
 
 ではどこに行くつもりなのかというと、これがさっぱり読めない。
 ルイズとサイトのハリーポッターもどき話だけでだらだらとやるのかというとそうでもない(今回ラストの謎の組織っぽい男とか)し、サイトの秘密に迫るかというとそういう気配もあんまりない。原作が終わっていない以上、サイトの帰還もまずないだろう。
 なにもかも中途半端に終わりそうな予感がいたします。
 今回の引きとかもどうにもたいしたことがなさそうだしね。話を盛りあげるためだけの騒動という気配がぷんぷんする