第二話「海賊亭の少女」

 中身よりも見せ場を並べる、といえばこれですね。第一話以上にフタコイオルタナティブテイスト。多元中継で派手なアクションが乱舞するなか話を混乱させずに、一気にラストまでもっていくのは見事。
 見世物としては十分の出来といえるでしょう。

 ドラマとしては、心理描写も何もあったものじゃなく、中学生日記的にそれぞれが心情吐露しているだけなので、無味乾燥もいいところですが、およそ視聴者の感情移入を度外視したようなミスターのキャラクターデザインからみても、視聴者に物語に深く入り込んでもらうことをハナから期待してないように思えるので、たぶん計算ミスではないのでしょう。あくまでドライに――そう、無味乾燥な気持ちで――映像に相対してもらいたい、ということですね。

 そうすると、広橋涼ヒロイン関係の演出が妙に情緒的なのはどうなんだという気もしますが、あれは「泣き」ではなくて「萌え」だということで。十二姉妹ロボットとおなじ、サービス用のオプションパーツに近い位置づけでしょう。。
 だって、後藤圭二あたりが描きそうな、ボディコンぱつんぱつんなミニスカワンピースの未成年の娘が一人暮らしで飲み屋経営? これは妹が十二人いるぐらいのリアリティだものねえ。
 
 さて、今回でほぼ話の方向性は見えたわけで、あとは各話にどれだけ工夫が凝らせるか、具体的にはアクションや演出が今回かそれ以上のレベルで維持できるかということですな。
 前作フタコイはというと……。うーむ。
 これは先行き微妙かも。まあしばらくは付き合ってみようかとは思うけど。

 そういえば、第二話にして、単なる話の潤滑剤程度の意味合いでしかなくなった捜査官コンビ哀れ。