第十一話「暑い!」

まあタイトルどおりの話なのだが、音楽室って熱や湿度に弱い楽器が保管してあって、防音構造が必要とされることが多い都合上、ほかの教室がそうでなくても空調完備の学校は多いのではないだろうか?
という突っ込みはまあたぶん野暮で、ようするに暑さにうだうだとするけいおんメンバーを描きたかったというだけのことなのだろう(好意的に解釈すれば、軽音部室が音楽室と位置づけられてないのだ、ということになるけど、それなりに歴史がある部活なのに、という疑問は結局残る)。
そして、小学生ぐらいまでしか使わないようなスクール水着をなんでもっているのか、とか、スクール水着って材質的に蒸れて暑い(着用経験者に聞いた話)とか言うのもまあ野暮な突っ込みである(ついでにいうと、お尻のほうまでスカートになってるスクール水着って現存するのか、という突っ込みもたぶん野暮である)。バケツいっぱいの水と氷をばら撒いたら後始末がかなり大変だろう、とかもまあきっと野暮である。

でも、まあ、「暑くて練習ができない」というところから涼しくするためのさまざまな無駄な努力や脱線をコント風に羅列していき、部長会議対策の擬似討論に至って、ふだん練習していないとかという軽音部の本質的な話になる流れはけっこううまい。これがないと本格的に軽音部のはなしである必要がなくなってしまうしね。好みとしてはもうすこし梓には頑張ってほしかったところではあるけれど(あそこでもっと突っ込んだ話にしておいたほうが最後のオチのばかばかしさが映えたはずだし)。

ちなみに人間の脱皮はあれです、日焼けの皮剥け。

ひとつ気になるのは紬の「うちの亀」についての発言。脱皮はたしか若い亀でなくても毎年するはずだが(人の爪が一生伸び続けるようなものと、どこかで読んだ気がする。まちがってたらごめんなさい)、亀は大抵長命なので病気にでもならないかぎり過去形になることはめったにないはずなのである。紬の家ではどういう飼い方をしていたのだろうか……。

次回は夏フェスの話……っていい度胸だな受験生。