第九話「期末試験!」

前回から続く、茨の道シリーズ、または前々回から続く、劇中コントが寒すぎてサスペンスになってるシリーズ。

あるいは、塀の中の住人か、エルム街の夢魔の眷属か、呪われた村(ジェレサレムズロットではないほう)生まれとしか思えない、縞々衣装とあやしい色彩の眼をした、不気味な子供たちが退去して押し寄せてくる、京都アニメーションの自社CMが怖すぎて、本編の印象が薄れてしまうシリーズ、かもしれない。CMのインパクトが強すぎるシリーズという意味では前回から続いているともいえる。

さて、タイトルの試験のほうは、序盤こそまじめに向き合っているが、後半は唯と同じくどんどんどうでもよくなり、良くも悪くもこのアニメらしいベタなオチを迎える。前回の話がなければ、このベタっぷりはもっと映えたと思うのだが、半端に「現実」を志向してしまったあとで、このオチはいまいち空気が読めてない感じ。作品の傾向的にはこちらのほうが本領なのだから、やっぱり問題は前回にあるというべきか。
後半のテーマ、というか今回自体のメインテーマは、隣のおばあちゃんとの交流で、それ自体はほのぼのしていていいのだが、そのぶん「いったい平沢家の親どもはなにをしているのだろう」と言う疑問が募ってもくる。
ストーリーのクライマックスはそのおばあちゃんのために出る演芸大会で、高校で一番テクニックがありそうな梓と、天才肌の唯がいるのに、なぜに参加賞で終わりなのかという気もしないでもないけど、これはきっともともと「おばあちゃんにギターを弾いている唯を見せる」という狙いだったのに、唯が歌ばかりうたってギターをろくに弾かなかったのがまずかったに違いない。唯がギターを弾いたバージョンはいずれ出るであろうCD版で、ということなのかもしれないが。
それにしても、この人たちは部活以外だとよく演奏するんですね

バーゲンという言葉を生まれ始めて聞くような紬とかそういうのは、紬が金持ちアピールをしたいがために毎回毎回はじめて聞くようなポーズをしている、なんていうひねった話でないかぎり、、一期でやっておくような話だった気もする。この辺は以前も書いたとおり、一年、二年の話をすっ飛ばしすぎた弊害なんだろうし、このスタッフに、ひだまりスケッチみたいに無理なく時系列を入れ替えるような芸当は無理っぽいから、仕方ないのかもしれない。
あと、私服のセンスがますます八十年代になっている気が……。

次回は、さわ子先生。うーむ。できるだけ軽音部本体に触れない方向でいくつもりなのかしら。