第八話「雪が降っていない街」

 病的に鈍い人が「俺ってもしかしたら鈍いかも」と鈍い人らしくいまさら気づき始める話とその人と血を分けた妹かもしれない人が自由になれた気になりたくて盗んでないけど他人のバイクで無理やり走り出す話。物語のこの段階でくっついたカップルには、紆余曲折か決裂の未来が待っているわけで、ノエの流す涙が幸せなものであればと思う反面、たぶん駄目だろうという気もしないでもない今日この頃。というか、うれし泣きのベストタイミングは今回だったのではなかろうか? ということはつまり……。
 一方ヒロミさんは薄幸を突き抜けて悪女の道をたどりそうな今日この頃。ノエ兄とゴール数で勝負するところでの駆け引きなんかこわいくらいである。わかりやすくネヴィリルさまの黒い泉に影響されていると示唆する場面なんかもあったけれど、そういう溜め込んだものの発露よりも、生来的に計算高いキャラだったのだろうと思わせるのは、脚本の意図したものなのかどうか、ちょっと考えるところではある(ヒロインのキャラとしてありなのかな、ということである。はたで見てる分には面白いけど)。
藤原親父さんは、やっぱりあまり周りが見えてない模様。
 今川焼屋さんは、なにかどんどんかわいそうな感じに。本人の気持ちだけでなく、あくまでおまけという扱いの作中の扱いも。飛び道具的に、主人公を刺殺する、といった使われ方もありそうだが、逆に言うとそういう使われ方でしか本筋に絡めなさそうなのが気の毒ではある。
 それにしても勤勉に出演してる坊主頭の存在意義は何なのだろうか。すべての黒幕だったりして。貴方が蜘蛛だったのですか、とか。