第九回

うーむ。これは今まででいちばん魂のステージの高さを要求される回かもしれない。突っ込みの話も抜き打ち検査の話も特に悪くないのだけど、絶望ファイトがきつい。かなりきつい。やたらと殺伐&カニバリズム展開になるのも、神経症的な繰言にしか聞こえないナレーションも、元ネタにうまく似せているのだろうが(推測になるのは、ウルトラマンは再放送でよく見ていてけど、ウルトラファイトは一度も見た覚えのない浅はかなウルトラマン好きなのでご寛恕願いたい。)、笑えるというよりは、慄然としてしまう。いったんそういうスイッチが入ってしまうと、最後の鶴田謙二の絵すら怖い絵に見える……いやあれは誰が見ても怖いか。千里の顔はホラーだし、空になぜか平面配置で並んでいる絶望生徒たちなんか、どういうわけかヘンリーダーガーの世界を髣髴とさせる不気味さだ。
 とまれ、今回の試練に関しては、己の至らなさを痛感した次第。次はもう少し文化的水準を引き下げてください。