第九話「クスノキの下で」

 可能性A「楠の下で」、可能性B「楠の木の下で」。微妙に意味が違うので、どちらかはっきりしないのがいらいらします。
 というのはともかく、アフロが道化で、おばさんにしか見えない謎の転校生と、夜の学校を探索する話。ペルソナは超常現象ではあるが、怪奇現象であるとは認識されてないという、もしかしたら重要かもしれない設定の開陳。
 怪奇現象について、ともかく怖がる次男、冷静な三男、強がるアフロ、アトラクション気分の阿澄佳奈、緊張しているが怖がってない中原麻衣、と、それぞれの個性がくっきり浮かび上がる、定番イベントの使い方のお手本どおり、といった手堅いシナリオである。もっとも、三男の「警備員さんに事情を話して」云々の「事情」とはもちろん、ペルソナやお化け探しのことを馬鹿正直に申告したのでなく、忘れ物を取りに、といった類の嘘をついたのは間違いないわけが、そのことを登場人物の誰にも突っ込ませないで、すべてに視聴者の推測任せにしたりするのは(尺の都合もあったのかもしれないが)、手堅いどころか、いささか一人よがりに過ぎるきらいはあるけど。
 話としては、依然、準備段階という感じ。敵さんの真の目的も、主人公たちのスタンスもいまだ未定。どうも話の核心部に座しているのは、三兄弟では長男と三男で、次男は右往左往し続けるっぽいが……。