第十九話「言えなかったこと」

悠二が反省し、悠二がつおいという話。
心理描写にせよ、戦闘場面にせよ、台詞に頼りすぎな嫌いはあるし、そのわりに(いや、それゆえにというべきか)、視聴者のまえに立ち現れているドラマは、かなり大味。中学生なんだから、もっと見えている世界は狭くていいんじゃないかなとか、いくらなんでも何百年も生きているだろうトモガラが不意を衝かれすぎだろうとか、砲台のようなムカデのようなトモガラいいところなしで退場とか、いろいろ気にならないでもないが、タイミングよすぎるシャナの登場あたりに顕著なように、時代劇的な様式美は完成していて、そう意味では華やかに仕上がっている、という印象。
でも、そんな盛り上がりも、悠二の胸騒ぎをおぼえたことの伏線がゼロだったりして、なにがおこってるのでありますか、という視聴者を置いてけぼりで話が進んでいってしまう感じの終盤のためにいささか盛り下がる。次回予告で灰燼(まさか怪人ではあるまい)サブラクといわれなかったら、半端にもやもやするだけで、蚊帳の外の気分が堪能できたことであろう。なんでも説明する必要はないが、なんでも一人合点されても困るのである(ってシャナに関してはほとんど毎回これを言ってる気がする)。