第五話「MIYABI」

前回の引きだったラスベガスネタは、赤いポニーテールとアストラル社長にバニーさんルックをさせるためだけのもので、借金の話を限りなくいんちきな「スペシャル&エレガントな解決法」であっさり終わらせたのは、そのあほらしさがいっそ清々しい。
 本編はサブタイトルにもなった赤いポニーテールこと雅のはなし、生い立ちとかメイドになったいきさつとか。といってもまあこれも、キャラに愛着を抱いてもらうためのバックボーンの提示というレベルで、なにか深く考えている気配はない。深く考えていたら、貧民街育ちで本格的な料理を作る知識と技術がある子供なんて設定はでてきません。まあ深く考えられても困るけど。
 深く考えていないといえば、「海の妖怪」なんかも普通は言及した以上ストーリーに関わってきそうなものだけど、何の関係もないし(貞子のパロをやるためだけのネタだった模様)、あんぽんたんなお兄ちゃんズの拉致監禁の話も、スリの子がどうやって主人公と雅の素性を突き止めたのかとかは考えたらたぶん負けである。ついでに、そのお兄ちゃんズが二人を救出する際にぶち殺されてそうなことも(首の骨を折られたり、梅安風の〈仕掛け〉をされて生きている人がいるなら話は別だが)、やっぱり考えたら負けである。

 考えたほうがいいような気がするのは、ここまで来てお嬢様三人にどれもさして魅力がないこと、特にタイトルにもなってる長女に一番魅力がないことですが、いや、これを考えるべき主体は視聴者でなくて、スタッフのほうですかね。