第十三話「収束、そして兆し」

フィリス襲来編。レベルの違う強さの敵かと思ったら、恋人との誓いにより人は食わないことにしていて弱ってるとか、いろいろと既視感があるだけでなく、戦闘バランス的にも倫理的に主人公サイドが困らないような配慮が素敵だ。フレイムヘイズの「非人間的」で、主人公や一美たちとは異質な思考回路の強調は、こまめにやっておかないとその特異性が薄まってしまうから欠かせない反面、印象づけすぎると今度は主人公たちからだけでなく、視聴者からも遠い存在になってしまい、物語の求心力がなくなってしまうという作劇上のジレンマを孕んでいるわけですが、こうもあからさまに物語がキャラフォローに入るのはどうなのかしら。この感じだと銀の秘密なんかもただのネタふりに終わって続きは第三期以降になりそうだし(原作未完だからしょうがない、ともいえるけど)、大規模な変動を予感させたわりに次回もまた清秋祭でフィリス関係はいい話ムードでまとまり、どうも結局後半はバルマスケの策動との対決という、どこかで見たような光景になりそうなのが、興ざめといえば興ざめ。不安定さは萌えアニメとしてはプラスにならないことがおおいから、シリアスメインでやる気がないならば、こういう風に行きつ戻りつして進めていくのが最善手ではあるけど、拍子抜けであることには変わりない。
 ただし、オガちゃんがらみで少なからず損なわれたはずの田中のマージョリーへの信頼と期待が今後の展開にどう影響するのか、といった地味な火種もあり、まだまだ見捨てるにはもったいない作品ではあるだろう。
 それにしてもマージョリーの暴走はいろいろ前ふりがあったにせよ、あまりに展開ありきでいまいち。あれじゃあ手がかりだって消えちゃうじゃん。その辺の見境はつけられるキャラのまま、話を展開させて欲しかったところ。